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馬場楠井手の鼻ぐり(通称:鼻ぐり井手)

最終更新日:

 

馬場楠井手の鼻ぐり(ばばぐすいでのはなぐり)

  

 馬場楠井出の鼻ぐり 上空からの写真

 鼻ぐり部分の写真

 

所在地

 菊池郡菊陽町大字曲手から辛川にかけて

 (菊陽町役場より空港方面へ車で1分、白川を超えて交差点を左折し少し坂道を下ったところです。)菊池郡菊陽町大字曲手から辛川  鼻ぐりまでのアクセス(印刷用) [Pdfファイル/295Kb] 別ウィンドウで開きます

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文化財概要(馬場楠井手)

 菊陽町馬場楠の白川取水口から熊本市の東海学園前駅近くまで続く約12.4kmの農業用水路で現在でも多くの田畑に水を供給しています。

 白川の南側に広がる「白水台地」は、川が流れる場所より一段高い土地であったため、ポンプや機械がない当時はその水を利用してお米や野菜を栽培することが困難でした。そこで、上流から人工的に水路を掘って新田開発が計画されます。
 水路工事が完成すると9か村(当時)、約95 町(約95ヘクタール)にもおよぶ農地に水が行き渡り、それまでの約3倍の収穫量をあげたそうです。(「勝国治水遺」鹿子木量平 著)

 なお、造られた当時の記録は残されていませんが、加藤清正の肥後統治時代(慶長13 年(1608)ごろ)に築造されたと伝えられています。その後、鹿子木量平(1753-1841)の著書により、馬場楠井手築造に関する時代や鼻ぐりの構造の通説が広まりました。 

受益地修正版

 

 馬場楠井手流域の上空写真

 

堰(せき)・・・水をせき止める目的で河川や湖沼などに設けられる構造物で、農業用水路(井手)などへの取水を容易にしたりする役割を持っています。

井手(いで)・・人工的に作られた水路のことで田畑に水を届ける役割があります。水道(管)がなかった当時は、とても重要な設備でした。

文化財概要(鼻ぐり)

馬場楠井手の菊陽区間(曲手・辛川区)に設置された人工の構造物。水を通すトンネル状の溝穴で当初は80 箇所があったそうですが、現在24 箇所を残すのみとなっています。
 水力を利用して溜まった土砂を排出させる仕組みとされ、この穴の形が牛の鼻輪(はなわ)を通す穴(もしくは鼻輪本体)に似ているところが「鼻ぐり」名称の由来とされています。

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 では、なぜわざわざ岩をくり貫いて、トンネル状にしたのか・・それには2つの理由があるとされています。

  1. 鼻ぐりがある区間は厚く固い岩盤が続く山であったため、車や機械がない当時は多くのお金・時間・労働力が必要であった。
  2. 築造後は地上から川底までの深さが約20mにもなるため、土砂がつまると、それを除去することが難しかった。

 しかし、作付面積を増やし、人々の生活を豊かにするためにはどうしてもその山を切り開いて水路を通す必要がありました。そこで、考えられたのが、この「鼻ぐり」です。
 岩盤掘削時に一部を壁のように残し、その下辺に半円型の高さ約2m の穴をくり貫いてトンネル状にしました。これにより掘る岩の量を減らすことで、費用と工期を短くすることができました。また、水流が穴の壁にぶつかった際に、渦を巻き上げ土砂と一緒にはき出されることにより、川底に土砂を溜めない仕組みが生れました。

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※阿蘇から続く白川は、火山灰土壌のため、流れてきた火山灰(ヨナ)は、川の氾濫や、用水路のつまりなどの原因となりました。

 

 

馬場楠井手の鼻ぐり 渦    
   鼻ぐりが渦を巻く状況 
 
馬場楠井手の鼻ぐり 内部 
          内部写真

 

参考資料

※2018年8月14日に「世界かんがい施設遺産」に白川流域のかんがい用水群が登録されました。
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