一方で、優れた耐久性・安定性ゆえ、自然界で分解されにくいという特徴があり、海洋プラスチックごみ問題、気候変動問題などとの関連も指摘され、国際的に課題となっています。
2 プラスチック問題の概要
◆ 現状
・日本の1人当たりのワンウェイ※1プラスチック容器包装廃棄量は世界で2番目に多いと言われています。※2
・金属などの他素材と比べて有効利用させる割合は、日本では一定の水準に達しているものの、世界全体では未だ低いと言われています。※2
◆ 地球温暖化の問題
・プラスチックは、燃やすと地球温暖化の原因となる温室効果ガス(CO2)が多く発生します。
温暖化は猛暑や記録的な豪雨など、地球規模の気候変動を引き起こすとされています。
◆ 資源枯渇の問題
・プラスチックの原料である石油資源は有限であり、不要なプラスチックを使用することは、資源の枯渇につながります。
◆ 海洋汚染の問題
・世界全体で年間数百万トンを超えるプラスチックが陸上から海洋へ流出していると推計されています。※3
また、このままでは2050年までに魚の重量を上回るプラスチックが海に流出すると予想されています。
※1 ワンウェイとは、通常一度使用した後にその役目を終えることをいう。
※2 「Single-use
plastics: A roadmap for sustainability」(国連環境計画、2018年)
※3 「THE
NEW PLASTICS ECONOMY RETHINKING THE FUTURE OF PLASTICS」(エレン・マッカーサー財団、2016年)。
3 私たちにできること
私たちの生活に多大な利便性と恩恵をもたらしているプラスチックは生活に欠かせないものです。まずは、私たち一人一人ができることを実践していきましょう。
◆ ごみを出さない ・・・・・・ マイバッグやマイボトルを持ち歩く
使用後のプラスチックは再利用またはリサイクルする
◆ ごみを適切に管理・処分する ・・・・・・ 分別ルールを守って決められた日に決められた場所に適切にごみを出す
◆ 環境に優しい製品を選ぶ ・・・・・・ バイオプラスチックを使用した環境に配慮したプラスチック製品を購入する
◆ ポイ捨てをしない ・・・・・・ 外出先などでごみ箱ががない場合は、自宅に持ち帰るなど適切に処分する
◆ ごみを拾う ・・・・・・ 地域の美化活動、環境保全活動に積極的に参加する
4 国のプラスチック問題の取り組み
・プラスチック資源循環戦略(外部リンク)
資源・廃棄物制約、海洋プラスチックごみ問題、地球温暖化、アジア各国による廃棄物の輸入規制などの幅広い課題に対応するため、「プラスチック資源循環戦略」を策定しています。
詳細は、上記のリンクからご確認ください。
5 菊陽町のプラスチック問題の取り組み
菊陽町ではプラスチック問題に対し、以下の取り組みを行っています。
・プラスチックごみの減量促進のため、「容器包装プラスチック」(プラマークがついているプラスチック)を分別収集しています。
容器包装プラスチックとその他のプラスチックを正しく分別することでごみの減量につながります。ご協力をお願いします。
・地域でのプラスチックごみなどのリサイクル促進のため、「リサイクル推進事業奨励金」を交付しています。
・例年11月に開催される「すぎなみフェスタ」において環境ブースを設置し、クイズなどを通して、楽しくごみの分別・減量を学べるよう
啓発活動を行っています。
・町内の小学校や自治会などから要望があれば、ごみの分別に関する出前講座を行い、ごみの分別・減量についての啓発活動を行っています。
6 他市町村(連携中枢都市圏※1)のプラスチック問題の取り組み
◆熊本市プラスチックごみ問題の取り組み(外部リンク)
◆阿蘇市プラスチックごみ問題の取り組み(外部リンク)
◆宇土市プラスチックごみ問題の取り組み(外部リンク)
◆菊池市プラスチックごみ問題の取り組み (外部リンク)
※1 連携中枢都市圏とは、地方圏において、昼夜間人口比率おおむね1以上の指定都市・中核市と、社会的、
経済的に一体性を有する
近隣市町村とで形成する都市圏のことをいう。
「熊本連携中枢都市圏」構成市町村は、熊本市、山鹿市、菊池市、宇土市、宇城市、阿蘇市、合志市、美里町、玉東町、大津町、菊陽町、高森町、西原村、南阿蘇村、御船町、嘉島町、益城町、甲佐町、山都町の7市12町村です。
7 参考:プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律の策定
令和4年(2022年)4月1日に、製品の設計からプラスチック廃棄物の処理までに関わるあらゆる主体におけるプラスチック資源循環などの取り組みを促進するため、「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(外部リンク)」が施行されました。
新しい法律は、各主体がプラスチックの3R+Renewable(再生材、バイオプラスチック※1などへの変換)に取り組みやすい環境を整え、プラスチックの資源循環を促進することを目的としています。
※1 バイオプラスチックとは、植物由来の資源(バイオマス)を原料とする「バイオマスプラスチック」と微生物などの働きで最終的に二酸化炭素と水に分解される「生分解性プラスチック」の総称のことをいう。