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令和7年施政方針

最終更新日:
成長しつづける町。


 令和7年は、旧白水村、津田村、原水村が合併し、菊陽町の前身である菊陽村が誕生して、記念すべき70周年の節目の年となります。先人たちが築いてきた伝統を引き継ぎ、町民の皆様、議会の皆様とともに新しい時代の菊陽町のまちづくりを進めて参ります。

 JASMの第一工場が、当初計画通り昨年末に半導体製品の量産を開始し、半導体の国内生産という、国の経済安全保障に関わる、国策とも言えるプロジェクトが順調に進んでおります。

 この大企業の進出の効果を町民の皆様に実感していただけるよう、そして、諸課題に対して全力で取り組んで参ります。

 本町の令和7年度の当初予算は、重点施策として、成長しつづける町に向けた施策、町民の生活を豊かにする施策、町民の安全・安心に対する施策、町民サービスの向上や業務の効率化に向けた施策を方針としました。


 まず、教育・生涯学習・スポーツについてです。

 給食費無償化の取組については、子育て世帯の負担軽減を目的として令和5年度より実施しております一部補助を更に拡充し、町立小・中学校に係る「学校給食費の完全無償化」を実施します。

 学校教育における児童・生徒の学力向上の取組としては、 GIGA(ギガ)スクール構想により整備した児童生徒一人一台のタブレットの更新に向けて、機種の選定や調達を行うとともに、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実に向け、日常的に活用できる力を育成して参ります。

 いじめや不登校対策の取組としては、引き続きスクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーを小中学校に配置し、教育相談員やこども総合相談室との連携を図りながら、児童・生徒や保護者の教育的ニーズに早期に対応して参ります。

 安全安心な通学路の確保については、引き続き「菊陽町通学路交通安全プログラム」に基づき、地域やPTA、関係機関との連携を図りながら、安全対策の強化に取り組んで参ります。 

 教育環境の整備については、武蔵ヶ丘北小学校では、管理特別教室棟の大規模・長寿命化改修工事を、武蔵ヶ丘中学校の体育館では、空調設備工事と併せて、大規模・長寿命化改修工事を行います。

 また、菊陽北小学校では、校舎及び体育館の新築工事の基本設計業務などを進めて参ります。

 菊陽杉並木公園拡張整備事業については、誰もが住みやすい豊かなまちづくりのための憩いの場として、また、新たな観光・賑わいの拠点として、全国大会や世界大会の誘致が可能な西日本最大規模となる「くまモンアーバンスポーツパーク」や「多目的グラウンド」の整備を令和8年3月完成を目指し進めて参ります。

 また、総合体育館を含む杉並木公園周辺を総合運動公園と位置付けるとともに、民間ノウハウを活用し、更なる施設の利活用に繋げるため、令和8年4月のアーバンスポーツ施設の開業に合わせ、指定管理者制度により公園全体を一体的に管理・運営するため、必要な手続を進めて参ります。

さらに、アーバンスポーツの機運醸成に向けた取組も県と連携し進めて参ります。


 次は、健康・子育て・福祉についてです。
 まず、健康づくりについては、予防接種事業として、幼児期のお子様を対象としたおたふくかぜワクチンへの助成を町の独自事業として引き続き実施します。また、新たに予防接種法に基づく定期接種となる帯状疱疹ワクチンも接種を開始します。
 母子への切れ目ない支援として、新たに母子手帳アプリを導入し、予防接種スケジュールの管理、成長記録、町からの情報発信、住民アンケート等に活用します。また、多胎児を妊娠した妊婦に、妊婦健康診査への受診費用を通常の14回分に加え、5回分を町が負担し、多胎妊婦の負担軽減を図ります。
 子育て世代の経済的支援としては、子ども医療費助成を引き続き、高校3年生まで実施し、さらに、令和7年度から学校給食費と同様に、保育所などの副食費の無償化を実施します。
 次に、高齢者支援については、移動手段がない等の理由で、買物に困難を抱える高齢者を対象とした「買い物移動支援事業」に新たに取り組むほか、「高齢者紙おむつ等購入費助成事業」の助成対象者の範囲を、要支援1から要介護5までに拡大します。
 また、70歳以上の高齢者を対象に、9月の老人週間に合わせて2日間、さんふれあ入浴施設の無料開放を行います。
 さらに、TSMC慈善財団からの資金提供のもと、熊本大学との共同で、高齢者の健康長寿を目的とした「健康長寿プロジェクト」に、新たに取り組み、高齢者に住んで良かったと思っていただける菊陽町を目指します。
 高齢者へ確実な災害情報等の提供を行うため、防災行政無線の戸別受信機を希望される高齢者世帯へ無償貸与する事業も実施します。

 次に、自然・環境保全についてです。
 熊本地域の地下水は、町民の生活と産業を支える、かけがえのない宝です。町民が豊かで良質な地下水を将来にわたって享受できるよう地下水涵養と水質保全を図って参ります。
 地下水涵養に向けた取組としては、おおきく土地改良区、水循環型営農推進協議会と連携し、冬期湛水を加えた水田湛水事業を強化するとともに、菊池地域の関係団体で構成する白川中流域等水稲作付推進協議会においては、企業と地元農業者とを結び付け、水稲作付けの維持・拡大に取り組んで参ります。
 また、営農によらない地下水涵養対策として、新町井手の調整池整備にも取り組みます。
 地球温暖化対策に向けた取組としては、熊本連携中枢都市圏地球温暖化対策実行計画に基づき、本町を含めた関係自治体が一丸となって効果的な施策を推進して参ります。

 次に、土地利用・都市基盤についてです。
 土地利用については、令和6年度中に策定する「菊陽町都市計画マスタープラン」の内容を更に具体化し、公共交通の充実や持続可能で安全安心して暮らせるまちづくりを進めるため、令和8年9月策定を目指して「立地適正化計画」の策定を進めます。この計画を、同じく令和6年度中に策定予定の「菊陽町地域公共交通計画」と連動させることにより、市街地整備と一体となった新駅整備にも取り組みます。
 (仮称)原水駅周辺土地区画整理事業については、令和8年度の事業開始に向けて、換地設計や交通解析、環境アセスメント手続などを進めるとともに、基盤整備後のまちづくりを見据え、賑わい、知の集積、職住近接エリアの実現に向けて、将来ビジョンの具体化検討にも取り組んで参ります。
 町の均衡ある発展を推進するため、久保田台地については、都市計画マスタープランの見直しにおいて示した、新たな開発構想、工業・流通ゾーンの実現に向けて、まちづくり構想の策定に取り組みます。
 また、南小学校区については、新たに市街地ゾーンを設定し、今後、住宅が整備できるよう取組の実現に向け検討を進めて参ります。これは、南小学校区の発展なしに「新しい菊陽」の発展はないという私の強い思いによるものであります。
 町の最重要課題の一つである交通渋滞対策については、引き続き、国をはじめ県及び近隣自治体と連携し、緩和に向けた取組を積極的に進めて参ります。
 特に、菊陽空港線延伸道路事業を始めとするセミコンテクノパーク周辺道路の整備は、既存の交付金に加え、国策として新たに創設された「地域産業構造転換インフラ整備推進交付金」を活用し、道路ネットワークの整備に最大限の力を注ぎ、取り組んで参ります。
 さらに、将来の渋滞対策等を見据えた新たな道路計画として、南方大人足線延伸計画道路事業や古閑原西護川線改良事業の調査業務に着手します。
その他に狭あい踏切の整備促進を図り交通安全確保のため、新町の大原踏切の拡幅にも着手します。
 下水道については、「菊陽町下水道ストックマネジメント計画」に基づき、定期的なカメラ調査等により確認した、不具合箇所の改築・更新を行います。
 半導体産業の集積に伴う排水対策については、本来、市町が取り組むべき「熊本セミコン特定公共下水道事業」は、熊本県が最重要課題として、主体となって取り組んでいただくことになったことから、町としても連携・協力して参ります。
 町営住宅については、令和6年度から中代団地の大規模改修工事に着手しており、令和10年度改修完了を目指し事業を進めて参ります。

 次に、産業の振興についてです。

 まず、農業の振興については、守るべき農地はしっかりと守り、農地の集積・集約化を推進し、農業者の経営の向上・安定化の実現と農業後継者や新規就農者など、次世代を担う農業者の育成・確保を図って参ります。

 その中で、本町の農業の10年後の在り方を目指す「菊陽町農業地域計画」の策定に向けた、地域での話し合いを基に、「農業を担う者」を選定し、農地の集約を進め、生産性の向上に努めて参ります。

 また、「地産地消」に取り組むとともに、JA菊池の人参選果施設の整備に併せ、新たな販売戦略として、広島市を中心に人参やスイートコーンなど、人気の農畜産物を積極的にPRし、農畜産物の販路拡大に努めます。

 さらに、規格外品の利活用を促すため、JA熊本果実連、JA菊池と連携して「にんじんジュース」の開発を進めて参ります。

工業の振興については、昨年4月にJASMの第一工場の隣接地に第二工場の建設が発表され、現在造成工事が進められています。

 今後は、第一工場と同様に第二工場についても、先方の計画である2027年末の製品出荷開始に向けて、JASM、国、県などの関係者と意思疎通を図りながら、全庁的に支援して参ります。

 商業の振興については、町内の経済社会活動が活性化するよう、町内の仕事は町内の事業者へ発注するなど、産業の地産地消の取組を図るため、引き続き、商工会と緊密な連携の上、中小企業、小規模事業者の振興を進めて参ります。

 さらに、地域資源を活用した取組や、創業・スタートアップ支援の強化など、新たな事業の展開と併せて、PR動画の活用によるロアッソ熊本と連携した町内事業者の活性化などにも、継続して取り組んで参ります。

 また、歴史的文化財である「馬場楠井手の鼻ぐり」、豊後街道菊陽杉並木のほか、鼻ぐり井手公園、菊陽杉並木公園、さんふれあなどの従来の観光資源だけでなく、海外からの移住者にも、本町を楽しんでいただけるようなスポットなどについて、熊本県や関係市町とも連携しながら、情報発信に取り組んで参ります。


 次に、防災・消防・防犯についてです。

 防災対策については、町民の防災意識の向上を図るため、防災フェスタや防災教育を実施し、町民の防災意識を高め、災害に強いまちづくりを進めて参ります。

 災害の際、一時避難所となる地区公民館への災害用ポータブル蓄電池の配置、指定避難所である学校への防災倉庫の設置事業を新たに実施します。

 また、災害の際に罹災証明を迅速に交付できるシステムを新たに導入します。

 消防関係では、消防団員の作業服の更新を前倒しで全団員分を行い、消防活動用Tシャツを全団員に支給します。

 さらに、団員確保が大きな課題となる中、地域ぐるみで消防団員を応援する「消防団応援の店」制度を4月からスタートすることで、消防団員及びその家族の支援と団員の加入促進を図って参ります。

 防犯対策については、防犯講話やホームページ等を通じて、町民への治安情報の発信などに努めるほか、大津地区防犯協会連合会の防犯カメラ設置事業に対する助成を継続して参ります。


 次に、人権・多文化共生の推進についてです。

 人権については、「菊陽町人権擁護に関する条例」及び「菊陽町部落差別の解消の推進に関する条例」、「菊陽町人権教育・啓発基本計画」に基づき、部落差別をはじめ、あらゆる 人権問題の解決を目指し、町民、学校、地域及び関係団体等と連携しながら、人権教育・啓発の推進に努めて参ります。

 多文化共生については、町内に在住されている外国籍の方が安心して暮らしていただけるよう、引き続き外国人相談窓口を設置し、県及び関係市町村とも連携を図りながら、生活サポートを丁寧に行って参ります。

 また、町民と外国籍の方が交流を深められるよう、必要な交流事業を実施するとともに、国際交流協会の設立に向けて、検討を進めて参ります。

さらに、町民の皆様が台湾の文化や経済などを身近に感じていただけるよう、台湾へ渡航する際の航空賃の一部を助成する事業を、引き続き実施いたします。


 次に、行財政の充実・強化についてです。

 財政については、引き続き収入増加に取り組みながら、町民サービスの向上を図り、「菊陽町中期財政計画」に基づき、長期的かつ持続可能な健全財政を堅持して参ります。

 自治体DXの推進については、国が示す自治体DX推進計画及び令和5年10月に策定した「菊陽町デジタルファースト推進計画」に基づき取り組んで参ります。

 令和6年度に導入したオンライン申請やキャッシュレス決済の活用、マイナンバーカードを利用した証明書等のコンビニ交付の促進、対面や押印などを義務付けたアナログ規制の改革などを進め、役場に行かなくとも行政手続を進められる「行かない役場」の実現を目指して参ります。


 最後に、新たな第7期菊陽町総合計画については、まちの将来像とその実現に向けた指針を示す「基本構想」、そして、この「基本構想」の実現に向けた施策の方向性を体系的に示す「前期基本計画」を本年3月末までに策定し、令和7年度から新たな計画のもと、まちづくりを進めて参ります。


 今後も、町のスローガンである「成長しつづける町。」として、更なる発展と日本一のまちづくりを目指し、町民の皆様とともに、様々な事業に取り組んで参ります。

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