【協定書の内容】
菊陽町と宝山郷は、従来から農業が盛んで、先端的な科学技術産業により飛躍的な発展を遂げているなどの共通点を持つことから、相互の理解と友好互恵を増進するため、次に掲げる事項に合意し、友好交流都市として協定を締結する。
1.両町の強固な友好を築く
2.相互に教育、産業、経済、文化、スポーツ、観光等の各分野での交流を促進する
3.行政、住民、民間団体等の様々な主体による交流を促進する
4.友好交流に関する具体的な取組について協議する
5.本協定書は菊陽町長及び宝山郷長の署名の日をもって発効する
本協定書は、日本語及び中国語で各2部を作成し、双方が1部ずつ保管するものとする。
2023年7月18日
菊陽町長 𠮷本 孝寿 宝山郷長 邱 振瑋
協定締結の経緯
TSMCが菊陽町に進出を表明したことを機に、令和4年3月に台北駐福岡経済文化弁事処の陳銘俊(ちんめいしゅん)処長が菊陽町を表敬訪問した際、菊陽町と共通点を持つ「宝山郷」を紹介していただきました。
その後、令和4年9月に前町長と前郷長がWEB会議を通じて、お互いが友好交流協定を締結に向けて進めることについて、新町長と新郷長に引き継ぐことを確認しました。𠮷本町長と邱郷長の就任後、令和5年1月に𠮷本町長が宝山郷を表敬訪問し、お互いが友好交流協定の締結を進めていくことを確認し、さまざまな準備を進め今回の締結に至りました。
宝山郷の概要
宝山郷は台湾の北西部に位置し、阿蘇くまもと空港から定期便が就航予定の桃園(とうえん)空港から車で約1時間ほどの距離にあります。
宝山郷の最初の地名は「草山(そうざん)」で、原住民(タイル族)が住んでいた場所でした。大正9年(1920年)に州と郡の制度を導入した際、今後の発展を願い「宝山」と改名されました。
宝山郷には10の村があり、総面積は約64平方キロメートル、人口は約15,000人です。主な産業は農業で、かんきつ類、オリーブ、緑竹筍(りょくちくたけのこ)などが有名です。
宝山郷と隣接する新竹市(しんちくし)には、TSMC本社のある「新竹科学園区(新竹サイエンスパーク)」が整備され、宝山郷にも新たなTSMCの工場が立地するなど、科学技術の町としての顔も持っています。
宝山郷は変貌を続けており、レジャーや観光との相乗効果、農業とテクノロジーのバランスの取れた発展により、その名にふさわしい「宝山」になることが期待されています。
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宝山ダム 新竹サイエンスパークに隣接する宝山郷には、工業用水を供給するために「宝山水庫」と「宝山第二水庫」の2つのダムが整備されています。(写真は第二宝山水庫) | 双子が多い 宝山郷は台湾全土で最も双子の割合が高く、その理由は、住民が1年中、村の古井戸の水を飲んでいるためという伝説があります。 |
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緑竹筍(りょくちくたけのこ)/青たけのこ 宝山郷は丘陵地形で、砂土層の透水性が良く日照量が豊富なため、緑竹筍を栽培するのに適しています。見た目、肉質、色、やわらかさ、糖度を審査する品評会が毎年6月に開催されています。 | 橄欖(がんらん)/オリーブ 植物界のエメラルドとも呼ばれるオリーブは、葉も実も利用でき栄養価が高いです。砂糖漬けのドライオリーブに加工し、おやつとして食べられています。 |
𠮷本町長あいさつ
私たちは、宝山郷と友好交流協定を締結できることを大変心待ちにしていました。
この協定締結のきっかけとなったのは、昨年3月に菊陽町を訪問された陳処長のご紹介でした。その後も、弁事処を通じて、宝山郷との友好交流の意思確認やWEB会議、訪問調整などのご支援を行ってくださいました。
本日の友好交流協定の締結は、菊陽町と宝山郷の未来にとって、大変意義深いものになると思っています。
菊陽町と宝山郷には、共通点があります。それは、共に自然豊かで歴史ある地域であり、豊かな田園風景を残しつつも、TSMCの工場など最先端技術を持った企業が立地する自治体として、国や地域の高度な半導体産業を支える役割の一端を担っていく自治体であるということです。私は、このような共通点を持つ菊陽町と宝山郷が、友好交流を通じて身近に感じ、文化や経済をより深く理解していくことで、お互いの発展に向けた連携を築くことができると信じております。
具体的には、農業、商業、教育、文化、スポーツなど、さまざまな分野で交流を進めていきたいと考えています。本日の友好交流協定締結は、その友情の証です。そして、この友情が、熊本県と台湾、さらには日本と台湾の関係にも貢献していくことを心から願っています。
最後になりましたが、邱郷長、陳処長、そして宝山郷公所の皆さまのご健康と多くのご幸運が訪れることをお祈りするとともに、改めて感謝の気持ちを申し上げ、私の挨拶とします。
私は宝山郷の町長、邱振瑋(きゅうしんえい)です。この度、TSMC工場の建設を契機に、私たちが友好交流の絆を結ぶことを大変嬉しく思います。この絆のスタートとして、宝山郷の町民と公所を代表して、美しい宝山郷について紹介させていただきます。
宝山郷は台湾新竹県に位置し、エメラルドグリーンのような山が群がり、それを川で取り囲んでいるという恵まれた環境にあり、自然の美しさと人々の文化に満ちた魅力的なところです。また、生物資源と人をウットリさせる景色が豊富で、美しいスポットになっている貯水池が2カ所もあります。
私たち町民の多くが親切、おもてなし好き、勤勉で有名な「客家人(はっかじん)」で、常に人との交流を楽しみ、宝山郷の文化や生活様式を共有しています。
私たちは菊陽町との交流、協力を非常に重視しています。私たちが皆さんと友好交流協定を締結するのは、TSMCが菊陽町に工場を建設することや、福岡の台北駐日経済文化弁事処からの紹介のもとで、相互の訪問や文化交流を通して、友情と理解を深めることができると確信したからです。
私たちは今後、さらに多くの交流の機会を設け、お互いに知恵や経験を共有することで、双方の発展を促進させましょう。
最後になりますが、私たちのこの友情が長く続き、両地域の発展がより多くのチャンスと成果をもたらすことを願い、菊陽町民の皆さまの祝福を心よりお祈り申し上げます。
手作りの歓迎グッズでお出迎え 歓迎カードを手渡す園児 協定締結式の様子 宝山郷への記念品「ビアグラス」
宝山郷からの記念品 陳銘俊処長からの祝辞 酒井会長による祝舞 夕食会での記念撮影
7月18日、邱振瑋郷長をはじめ、新竹県および宝山郷の職員10人が本町を訪れ、みどり園の園児と職員で出迎えました。園児は手作りの歓迎グッズを手に、大きな声で「ホァンイン!(ようこそ)」とあいさつし、歓迎カードを手渡しました。
その後、式では、協定締結に至った経緯の紹介後、𠮷本町長と邱郷長が協定書にサインし無事協定が締結されました。
記念品交換では、菊陽町からはふるさと納税の返礼品にもなっている「ステンレス削り出しのビアグラス」と「にんじんジャム・にんじんクッキー」を贈り、宝山郷からは、「ガラスの置物」や特産の「お茶・オリーブの砂糖漬け」が贈られました。
協定締結記念の夕食会では、坂本哲志衆議院議員、木村敬熊本県副知事、陳銘俊弁事処長のあいさつ後に、酒井恵菊陽町地域女性の会会長の祝舞やくまモンステージもあり、参加者一同交流をさらに深めました。
交流実績
令和5年1月11日~14日
交流をテーマに台湾を訪問!ビジネス交流&友好交流